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小さな旅に出てみたよ

戦略広報課です。
このステキな都電の絵は交通局の「冬のぬくもり旅~都電の旅~2024」のポスターなんです。いいイラストですよね。東京さくらトラム(都電荒川線)や都営バス、都営地下鉄、日暮里・舎人ライナー沿線と人気のカフェを楽しんでいただこうというキャンペーンなのです。

暮らしに欠かせない交通

都電の歴史は古く、明治44年、東京市が東京鉄道株式会社から路面電車事業を買収し、東京市電気局として開局したときから始まりました。
都民にとっては、なくてはならない交通で、昭和18年度は一日平均193万人もが利用していました。その後自動車の交通量が増え、軌道敷内(注)への自動車乗り入れのために輸送効率が低下。昭和42年から昭和47年にかけて181kmもの路線が廃止となりました。
現在は三ノ輪橋~早稲田間を走る都電荒川線のみが運行。12.2キロメートルの路線ですが、令和4年度は一日平均約4万7千人の人が利用する地域密着型の路線です。親しみやすい呼び名を公募。平成29年からは「東京さくらトラム」と愛称が決まりました。

都営交通を使う旅 

今回のキャンペーンでは歴史ある都営交通の魅力にちなみ、カフェでもレトロで懐かしさを感じるオリジナルメニューを提供してもらうことに。都電や都バスに乗って小さな旅に出かけました。
JR大塚駅で降りて東京さくらトラム(都電荒川線)に乗ります。まずは鬼子母神前で下車。

鬼子母神前

JR大塚駅で降りて東京さくらトラム(都電荒川線)に乗ります。まずは鬼子母神前で下車。

鬼子母神前を走る都電
ケヤキは冬の間はこんな感じですが、新緑の季節には美しい葉っぱをつけるそう

このケヤキ並木は実は都の天然記念物。鬼子母神前停留場から鬼子母神堂に続く参道に約100メートルの並木が続いています。
天正年間(1573 ~ 92年)に数十本が植えられたと伝えられていました。推定樹齢600年を超える古木が現在では3本残っています。いまも地元有志らによって結成された鬼子母神大門欅並木保存会が、日常的な落ち葉掃きなどケヤキ並木の保全に務めています。

参道入り口の石碑

さて一軒目のカフェは鬼子母神堂に続く参道にある「キアズマ珈琲」。
古い民家を改築したレトロな外観はこのキャンペーンにピッタリ。

キアズマ珈琲外観
店内もシックでくつろげる雰囲気です
高安宏昌さん

ひき立ての豆で今日のコーヒーを入れてくれる店長の高安宏昌さん。
「鬼子母神を中心とした、縦と横のつながりがあり、近所の人の顔と名前もわかっているという東京では少なくなった町ですね」
ケヤキの落ち葉の季節は、みんなで竹ぼうきで落ち葉掃除。街並みを守っています。

キャンペーンの提供メニューは「ほっこり懐かしい焼きリンゴ」。リンゴの芯をくりぬいてバター、三温糖、シナモンを入れて焼く、簡単でおいしい人気のメニュー。
使われるリンゴは紅玉。「酸味があって煮崩れしにくいし、シャキシャキしすぎず柔らかく仕上がる紅玉が一番」なのだそう。紅玉の出回る3月くらいまでの限定です。ぜひお早目に。

キアズマ珈琲 豊島区雑司が谷3-19-5
03-3984-2045 定休:水 10:30~19:00

熊野前

次は日暮里・舎人ライナーの熊野前駅に到着。
日暮里・舎人ライナーは2008年に開業した比較的新しい路線で日暮里から見沼代親水公園間を走ります。コンピューター制御の自動運転で運行しています。

上を走るのが日暮里・舎人ライナー。下に停車中の都電

熊野前駅の商店街にある「ロン珈琲」は昔ながらの落ち着いた趣の店。

キャンペーンメニュー「こだわりのサイフォンコーヒーと特製ライナーサンド/抹茶ケーキ」
                             注:通常は店内撮影不可

ロン珈琲 荒川区東尾久5-22-6 03-3893-2306 定休:水
月火木金 9:00から18:30、土日祝 9:00から18:00

荒川車庫前


次は都電「荒川車庫前」で下車。目の前は荒川電車営業所です。

荒川電車営業所

荒川電車営業所には都電の車庫もあり、点検や検査なども行われています。
その前を通過して町工場や銭湯などのある道を行くと見えてきたのは「アッシュカフェ」。

青い外観が目立っているアッシュカフェ

もとはステンレスの加工工場のため、広くて天井も高いのです。

浅見博子さん

オーナーパティシエの浅見博子さんが出迎えてくれました。一家で冒険に、とフランスで7年過ごし、帰国後キッチンカーでカフェを始めました。その後、広い空間を求めて荒川区のこの場所でカフェを開店。しかしコロナ禍に。「でもキッチンカーで3年営業した経験があったので、テイクアウトなどにすぐ対応できたのです」と浅見さん。今年開店6年目を迎えます。
「はじめはこのように静かな住宅街でお客さんが来るだろうか、と思いましたが、今はSNSで発信する時代。若い世代から年配の方まで来られます」

販売もしているアンティークの品は見ているだけで楽しい
レジ前にはぬくもり旅提供の黒板メニューが
見た目もステキなスイーツメニュー

「レトロなカフェグルモン 懐かしのスイーツ盛合せ」が今回の提供メニュー。右から反時計回りにスワンシュー、タルトタタン、お花のクッキー、レアチーズケーキ、こんぺいとう。左端のカップにはコーヒーゼリーとココナッツアイス。コーヒーか紅茶のセットです。おいしそう~。

さりげなくぬくもり旅の宣伝も

「このあたりは小さいお店が多いためか、店同士の横のつながりがあります。各地で開催されるイベントでは、都電各駅に根差した商店街の方や地域の方とのコミュニケーションが生まれます。そういうところが下町ならではだなと思うし、都電でつながっているような安心感があります」

キッチンカーは今も現役でイベントに出店します。普段は店内のディスプレイに

+h café/アッシュカフェ
荒川区西尾久8-45-11 03-4283-3780 定休:月・木 11:30~18:00 

大塚二丁目

最後に向かったのは「cafe&bar totoru」。都バスに乗り大塚二丁目
下車、バス停すぐのところにあるお店です。

都バスで大塚二丁目へ
今年開店11周年の totoru
「レモンティーゼリーとチーズケーキのパフェ」レモンティーのゼリーがさわやかな一品

「レトロというテーマなのでレモンを使いたいと考えました。レモンでゼリーを作るとレモンの酵素でゼリーが固まりにくくなります。そこで国産レモンを使った自家製のレモネードシロップにティーゼリーを漬け込みました」と話すのは店長の生沼知美さん。オープン当初から出している「植村さんのチーズケーキ」もパフェに入ってます。
「このチーズケーキは、植村さんという近所のおじいさんが差し入れで持ってきてくれたケーキです。美味しいのでレシピを教えてもらい、うちの看板になりました」

木材をふんだんに使った店内。自然を感じる空間でくつろげる~
店内に飾られていたイベント記念コースターは数量限定でお客さんにプレゼント

「近所の人もよく来られますが、バス停が近いからでしょうか、バスを途中下車してくる方もいます。目の前は大学なので学生も多く、穏やかな町だなあと思います」
cafe&bar totoru
文京区大塚3-5-2 窪町CKビル1F 03-6881-0082 
不定休 (店舗instagramで毎月お知らせ)8:00~22:00

冬のぬくもり旅。小さな旅でしたが、訪れたカフェは町にすっかり溶け込み、また町と一緒に生きている感じがしました。なんだかほっこりいたしました。下町を走る都営交通に乗っておでかけ。なかなか乙なものですよ。

「冬のぬくもり旅」キャンペーンは3月11日まで



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