広報課はミタ。 超人的レスキュー甲子園 全国消防救助技術大会に向け始動中
広報課です。
毎日寒いですね。こう寒いと暖かい部屋から出るのもおっくう。こたつとミカンでまったり廃人的な日々を過ごすのは至福のとき・・と、まあ筆者のことはどうでもいいのですが、寒い季節に用心するのは火災。火事は冬の季語にもなっているほどこの季節多いものです。
江戸は大火が多かった
特に江戸の町は人口も増え、家は木造、電気やガスの代わりに火を炊いていたので、火事がおこりやすかったのです。
三大大火と呼ばれた、明暦(めいれき)の大火、目黒行人坂(ぎょうにんざか)大火、そして丙寅(ひのえとら)の大火という大火事はいずれも1月から3月の寒い時期に起こりました。空気が乾燥して風の強い冬の日は、あっというまに火が広がったといいます。
上の冊子は『むさしあぶみ』浅井了意著 万治4年(1661年)刊
明暦3年(1657年)1月、本妙寺(現・文京区本郷あたり)より出火した明暦の大火の様子を記録した仮名草子。絵入りで火事の様子などが詳しく描かれている。絵は明暦の大火当時の浅草門の様子
同じく『むさしあぶみ』の1ページ。火事から逃げる人々の様子がわかる
以上2点出典:東京都立図書館デジタルアーカイブ
さてここからが本題
現代の火消し役・消防の働きは、火事だけでなく救急搬送などわたしたちを助けてくれるものです。その中でも特に困難性が高い、とされる災害や事故現場で人命救助などを行う「特別救助隊」通称レスキュー隊がいます。
東京消防庁に入り、選抜試験に合格した後、27日間の厳しい研修を受けた人が隊員になることができます。危険な現場に向かう勇敢さと同時に、特殊な救助資器材に関する知識を身に着け的確に操作するプロフェッショナルです。
レスキューの甲子園
そのレスキュー隊員の甲子園とも呼ばれている「全国消防救助技術大会」(主催・一般財団法人全国消防協会)が年に一度開かれています。
大会は陸上の部、水上の部に分かれており、救助の技術を競う
画像:第47回消防救助技術関東地区指導会告知動画より
今回お邪魔した東京消防庁豊島消防署(豊島区)特別救助隊は関東代表として出場し、全国制覇を果たしたこともある強豪チーム。
残念なことに令和3年の大会はコロナウイルスの影響で中止となりましたが、今年8月に東京で開催する予定です。豊島消防署特別救助隊も通常の消火・救助活動に加え、大会に向けての訓練を続けています。その様子を少し見せていただきました。
種目の一つ、ロープブリッジ渡過。水平に張ったロープ20メートル(往復40メートル)を、往路はセイラー渡過、復路はモンキー渡過するロープ渡過の基本的な訓練。標準所要時間は28秒だとか
ビルからビルへロープで渡る。隊員は、さっさっと難なく渡っていきますが、ふつうはできませんっ!
セイラー渡過。真剣な表情
これがモンキー渡過。おサルさんのように渡る
画像:第47回消防救助技術関東地区指導会告知動画より
基本訓練もスゴイのだ
大会種目ではない通常の訓練。基本のき、応急はしご救出操法を見せてくれた。3連はしごを使って30メートルロープだけで救出する
こちらも大会種目ではない通常訓練の一つ。前述のロープブリッジ渡過で要救助者のいる建物などに入り、要救助者を救出ロープに吊り下げて救出後、脱出する。ロープだけを使うので実施が簡単な反面、高度な技術を必要とする。ロープの摩擦で皮膚がヤケドしてしまいそうになる
若手3名にちょっとだけインタビュー
大会への思いを聞いてミタ
訓練時は厳しい表情だが、インタビューが終わりホッとした表情の左から甲斐さん、木下さん、田口さん
田口忠明さん:令和3年は庁の大会を勝ち抜き全国に行くチャンスがあったけれど、コロナの影響で大会が中止になってしまいました。今年は東京で開催するので勝ち抜いて全国大会に行きたいです。
木下貴大さん:一昨年、自分は障害突破に初めて出場し、文字通り先輩に手取り足取り指導してもらいました。今度の大会に初めて出る隊員もいるので、見本となり自分も教えることができるよう、また大会を通じて自分も成長できるよう訓練に励みたいです。
甲斐誠也さん:一昨年、豊島救助隊は東京一位を獲りました。わたしは陰ながらサポートしましたが今度はメインのメンバーです。メンバーも変わったし一番下の自分が声を出して場を盛り上げたいと思います。
素顔はさわやかな普通の青年たちですが、危険な現場で活躍している頼もしい方々です。全国大会、応援しています~