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令和4年度東京都職員表彰案件が決定!

広報広聴課です。
総務局からのお知らせです。
令和4年度東京都職員表彰を受賞した案件のうち、都政課題の解決に当たり、他に例をみない顕著な功績があった取組を表彰する「政策課題部門」、都民サービスに関する改善、公務能率の向上に関して貢献のあった取組を表彰する「業務改革部門」の案件について紹介します。


<政策課題部門>

日本を牽引!
全国に先駆け、アスファルト舗装工事の低炭素化を実現

建設局 低炭素型舗装推進チーム

功 績:アスファルト混合物製造時の低炭素化と工期短縮を推進
ポイント:アスファルト混合物の製造温度を下げても、通常製造品と同等の性能を発現することができる中温化技術に着目した職員の発案により、CO2排出量削減に寄与する低炭素(中温化)アスファルト混合物の導入検討を進めてきました。
加熱温度を最大30℃低減しても、道路舗装に必要な強度などを確保するための検証を重ね、全国で初めて事前審査認定混合物として承認されました。低炭素(中温化)アスファルト混合物を全ての都発注工事で活用した場合、年間で最大約3,470(トン-CO2)削減可能です。加えて、製造業者などの業務省力化や製造時の加熱温度の低減により、工期短縮が見込めます。今後、全国におけるアスファルト混合物を使用する工事での活用が期待されます。

アスファルト舗装工事の様子

食の安全を守れ!
現場主導で市場衛生監視を爆速でデジタル化 

福祉保健局 市場衛生検査所監視DXチーム

功績:市場衛生監視のDXにより、食品衛生法改正への迅速な対応と大幅な業務効率化を同時に実現
ポイント:従来の市場衛生監視業務は不良食品の排除が中心でした。しかし食品衛生法の改正によって検品・包装・陳列・運搬など、食品の取扱い工程ごとの継続的な監視が新たに必要となり業務量が大幅に増加しました。
そこで現場職員と各局事業におけるICT活用を促進するICT職の職員がタッグを組み、ノーコード/ローコードツール(専門的なプログラミングの知識がなくとも、簡易なアプリ開発等が可能なツールのこと)を活用した専用システム開発に着手しました。
その結果、監視指導データの入力作業や監視指導履歴の参照、有毒魚などの図鑑データ参照などをタブレット端末に一元化。業務の大幅な効率化を実現しました。加えて現場職員とICT職員が活発に意見交換し、アジャイル型開発(初めから厳密な仕様を決めず、試行と改良を繰り返して徐々に開発していく手法)により5か月という短期間(通常約2年)で実用化できました。
本取組は「東京都職員表彰」以外にも都の「ベスト都庁DXアワード」や全国知事会の「デジタル・ソリューション・アワード大賞」を受賞しています。また、複数の自治体からの視察があります。

都政現場のDX:豊洲市場の衛生監視(シン・トセイ公式動画)

首都直下型地震発生に備えろ!
液状化予測の自動判定システムの開発

建設局 液状化予測図更新チーム


功績:首都直下型地震に備え、DXを活用して最新の液状化予測図を迅速に提供
ポイント:都内には東部低地などを中心に液状化しやすい軟弱な地盤があります。そこで今後想定される首都直下型地震などの発生に備え、最新の液状化危険度を適切に都民に発信していく必要があります。 都は昭和62年に液状化予測図を作成し、その後も対象区域の拡大や予測図の更新・公開をしてきました。そして令和4年3月、これまで収集してきた膨大なボーリングデータと地形に関する地図情報などから、液状化リスクを自動判定するプログラムを開発し、最新情報に基づく精度の高い「東京の液状化予測図」としてホームページで公開しました。この予測図は複数の都内自治体の防災に関するホームページで活用されるなどし、都民の防災意識の啓発に寄与しています。

耐スリップ性能を向上!  
都民の安全・安心を守るデザインマンホール蓋の開発

下水道局 耐スリップ性能向上マンホール蓋開発グループ


功績:都の花・都の木・都民の鳥をあしらったデザインを維持しつつ、マンホール蓋の耐スリップ性能を向上
ポイント:マンホール蓋が原因で発生するスリップ事故などは全国的な課題です。現状では耐スリップ性能に関する法定基準が無いため、道路舗装や建築床の基準を参考に独自の開発目標を設定しました。また「都民に親しみを持ってほしい」と描かれたマンホール蓋のデザイン性の確保も重要な課題でした。技術職員による試行錯誤の結果、表面の突起形状やサイズなどの最適な組み合わせを決定し、車道に設置できる安全性の高い耐スリップ性能とデザイン性を両立したマンホール蓋を、全国に先駆けて開発し導入することができました。新しいマンホール蓋の導入により、歩道や車道を利用する都民の安全・安心に寄与しています。

東京宝島へGO♪ 
交通情報サイト・アプリ「東京宝島うみそら便」で魅力発見

港湾局 東京宝島うみそら便の開発・運用チーム


功績:伊豆・小笠原諸島の船・飛行機・ヘリの経路や運航情報を集約し、来島者などの利便性を向上
ポイント:島しょの船・飛行機・ヘリの経路や運航情報は、各事業者が自社ホームページで提供しており、目的地までの最短経路や運航情報の確認が煩雑でした。そこでデジタル技術を活用してホームページ・アプリ「東京宝島うみそら便」を作成。ユーザーテストを経て全交通機関の運航経路などの情報提供をワンストップ化しました。また、島の魅力や島内の交通手段を紹介するページも独自に作成しています。「東京宝島うみそら便」のアクセス件数は令和3年度から令和4年度にかけて大幅に増加。来島者や島民の利便性向上に寄与するとともに、観光客の増加に伴う地域経済の活性化も期待されます。

東京宝島うみそら便

<業務改革部門>

微生物見分け隊、出動! 
AIを駆使して下水の異常発泡サインを見極めろ!

下水道局 微生物見分け隊


 功績:AIによる画像解析により、水再生センターにおける細菌測定の自動化・迅速化を実現
ポイント:「放線菌」は水再生センターに流入する下水の中に含まれる細菌で、反応槽(微生物に汚れを食べさせて水をきれいにする槽)内で増殖すると異常発泡を起こし、水質悪化など下水処理を阻害する要因になります。
対策として存在量の把握が有効であると考えられますが、既存の分析法(培養したものを計数する方法)などでは、結果を得るまでに時間がかかります。人による顕微鏡を用いた計数では迅速性が期待できるものの、微生物の判別に経験が必要であるなど、それぞれの問題を抱えていました。
そこで職員の発案によりAI画像診断技術を活用したソフトを開発しました。この方法では迅速に結果を得ることが可能です。また人による計数に比べて同一の基準によって放線菌の判別を行うため、測定値の一貫性も確保できます。
開発にはAI技術を活用し、ベテラン職員と同等の測定・分析精度を実現しています。本手法は放線菌以外の細菌の判別にも応用可能なため、下水道分野のみならず幅広い分野への展開が期待できます。