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丸の内の地下にはアツアツのパイプがありました

戦略広報課です。
毎日ものすごく暑いデス。外を歩いていて汗だくになり「もうダメだ~~」と冷房の効いてるビルに入って小休止。「はあ~涼しい~天国~」とみなさんも思ったこと、ありますよね?
これまでビルの冷暖房について考えたことがありませんでした。私たちの家と同じように電力会社から供給される電力でエアコンをつけたりしてるんだろうか、くらいの知識でした。

東京をつよく

「TOKYO強靭化プロジェクト」という取組があります。今年は関東大震災からちょうど100年。災害に強い東京をつくろうという考えの元、進められている都のプロジェクトです。
その一部を紹介するためのメディア向けツアーが開催され、参加してきました。
今回は都から一部支援を受けて建設された有楽町エリアの地域冷暖房システムの見学です。
訪れたのは丸の内二重橋ビルプラント丸の内仲通り洞道。千代田区丸の内・都心ど真ん中にあります。
プラント?洞道?地域冷暖房システム?さて、なんだろう。

知ってるかい?地域冷暖房

地域冷暖房とは、プラントという工場のような施設に、ビルごとに設置される空調設備などを集約し、そこで蒸気、温水、冷水などの熱源を集中的に製造。その後一定エリア内の各ビルに供給するシステムです。
地域冷暖房システムはいろいろと環境に優しい、とされています。

資料提供:丸の内熱供給株式会社

例えば、都市部の問題・ヒートアイランド。緑地や河川の減少の他、自動車の排気やエアコンの室外機から出る熱の影響で都市を暑くしていると言われる現象ですが、地域冷暖房システムは地下のプラントで熱源を製造するため排熱量を大きく抑えることができます。また一カ所のプラントで効率的に熱源を作るので燃料の消費も抑えることになります。

結果的に大気汚染の防止、CO2排出量の削減などにつながります。環境先進国の北欧をはじめ世界各国で地域冷暖房が推進されています。

熱いプラントへGO

よし、では早速そのプラントに行ってみよう~、と立ち上がると担当者さんから「中は非常に暑いので熱中症に気をつけてください。水分補給を忘れずに」とのアナウンスが。
え、そうなの?そんなに暑いの?戦々恐々たる面持ちで、持参したネッククーラー&水筒片手にいざ出陣。

ヘルメットをかぶって二重橋ビルの地下4階までエレベーターで降りていきます。
降りるとすでに「もあ~っ」とした空気。外は連日35度超えの猛暑日ですが、プラントに足を踏み入れると外より温度が高い?!40度くらいあるのでは?暑いというより熱い!そんな中、一行は進みます。

プラント内をムービーのカメラマンたちが絶賛撮影中。中は轟音が響きわたり、隣にいる人の声もかき消されます。じっとしていても汗だくだく。

冷水を作るターボ冷凍機

日本で地域冷暖房システムが始まったのは1970年。各ビルの配管網を通じてプラントから熱源を送っていました。

洞道にもGO

2020年12月に丸の内仲通り地下に全長約250メートルの洞道が建設されました。(洞道とはプラントと建物をつなぐトンネルのこと)
このトンネルに蒸気や冷温水のパイプなどが集められ、各ビルへ直接供給出来る様になりました。洞道のおかげで周辺の再開発などがあっても工事の必要がなく、引き続き各ビルに熱源を送ることができるのです。洞道ができてよかった~。

システムを開発・管理している丸の内熱供給株式会社の新田博之さんがプラント内を案内してくださいました。(前方の方です)
洞道は狭く、人がすれ違うこともできないくらいの幅。両側には蒸気などのパイプが所せましと連なっています。いやあ、そしてここも暑い、熱い~~。

冷水のパイプですが冷たくない。

蒸気のパイプ。約175度の蒸気がパイプ内に流れています。

強靭化とのつながりは?

地域冷暖房が環境に優しいことはわかったけど、都市の強靭化とどのように関係があるの?という素朴な疑問が・・。
洞道の中には冷暖房用の熱供給配管のほかに、電力線や通信線なども収められています。
主要な洞道の多くは地下20メートル付近に建設されているため、東日本大震災の時も供給に支障をきたす損傷はなかったとか。今後起きるであろう地震発生時にも影響を受けにくいのです。
また非常時には、二重橋ビルからの非常用電力周辺の帰宅困難者受入スペースへ供給する仕組みになっています。

 地下にこんな施設があったのですね。エコでもあり防災にも役立つ。
熱かったけど ι(´Д`υ)アツィー ひとつ物知りになって良かった!

100年先も東京の安心を目指す取組「TOKYO強靭化プロジェクト」についてもっと知りたい方はホームページを見てくださいね。

「TOKYO強靭化プロジェクト」