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一番は「火事だ!」と叫ぶこと

元広報広聴課です。4月から課名が変わりました。今度は「戦略広報課」と名乗ります。これからもどうぞご贔屓に。

さて春もたけなわ、桜が見ごろの墨田区にある東京消防庁本所防災館に行ってまいりました。ここ、すごいんです。何がすごいってもうとにかくすごいんです。
一言でいえば、地震や水害など災害の疑似体験ができるのです。今回案内してくれたのは当館の館長、田中雪江さん。


様々な大地震を再現

日本は地震大国。ということでまずは地震体験コーナー。ここでは東日本大震災、阪神淡路大震災、関東大震災など過去に起きた大きな地震の揺れを体験できます。震度だけでなく、部屋の中、屋外、コンビニなどシチュエーションを変えることもできます。高層マンションの場合、なども体験することが可能です。

静止画像だからわかりづらいのですが、東日本大震災の揺れなのでものすごく揺れています。立っていられない感じです。大きな揺れのときは頭を守ってうずくまること。いろんなものが落ちてきますからね。

高層マンションの揺れは横に大きく長~く揺れる。き、きもち悪い・・。

都市ならではの水害

次は都市型の水害を体験しました。
例えば地下街などに入ってしまったとき。水位が10センチくらいでもドアがものすごく重く、開かない!ちょび~っと動くくらい。20センチ30センチの水位ではドアはもうビクともしませんでした。。水の圧力って半端ない!

こちらは車のドア。豪雨時にアンダーパス(交差する鉄道や道路などの下を通過するため、周辺の地面よりも低くなっている道路のこと)などに入ってしまった状態を想定しています。思いっきりドアを押しましたが水位10センチでも開かない!
水位が20、30センチは無理でした。。「豪雨のとき、アンダーパスに入ってはいけません。情報収集してアンダーパスには近寄らないように」と田中さん。
アンダーパスを通らないルートも日ごろからチェックしておくことが大事です。

まずは「火事だ!」

火事も怖いですよね。ここでは消火活動にチャレンジ。
火事を発見したとき、一番はじめにやらないといけないのは何だと思いますか?火を消すこと?いえいえ違うのです。
まずは大声で「火事だー!」と叫ぶこと。一人ではパニックになってしまいがちですが、協力者が集まれば、消火器を持ってきてもらったり、119番に通報したり、が同時にできます。とにかく大声で「火事だー!」と叫ぶことが大事です。

消火器はピン、ホース、レバー!

では実際に消火活動。

  1. 姿勢を低くして消火器のピンを抜く

  2. ホースをもってレバーを握る

  3. 燃えているものを狙って放射
    燃えているものと空気を薬剤で遮断するように放射することが大切です。

  • ピン

  • ホース

  • レバー
    順番を覚えておいてください、と田中さん。
    消火器はけっこうどっしりした重さ。今回使ったものは5キロくらい。でも最近はもっとコンパクトで軽いものもあります。

消火器で映像の火事を消す。中身はお水ですが消火器自体は本物と同じもの。生まれてはじめて消火器を使いましたよ~

どうやって逃げる?煙の中

煙の中を逃げる時は、姿勢は低く、ひざをつかない。ガラスなどでけがをするから。口はハンカチなどで押さえて。学校でやったなあ。
火事で命を落とす主な原因は一酸化炭素中毒なんだそう。火事で発生した煙の中には有毒な一酸化炭素が含まれています。それを吸い込むと意識がもうろうとし、やがて呼吸ができなくなり死に至ってしまうのです。煙は吸い込まないこと、です。
中に入っていくと、あれ?煙はなぜかいい匂い。
「訓練用の煙の主成分は、グリコールと水です。グリコールは食品添加物や化粧品にも使われていて、万が一吸ってしまっても毒性はありません」とのこと。

田中さんが指さしているのは、マンションなどのベランダにある隣の部屋との境目の「蹴破り戸」。あの戸は非常時に蹴破っていいもの。蹴れば結構簡単に破れるようになっているそう。

いつもベランダで見ている避難ハッチ(はしご)も初めて開けてみました。大事な避難経路になるのでハッチの上や蹴破り戸の前を物などでふさがないように。

ラストは暴風雨

ここでは台風のときのような強い雨風を体験できます。
まずはしっかりとしたカッパを着用。

やさしい館長さんが着せてくれました

ひたすら雨風に耐えています。風速30メートル、時間雨量50ミリ。(1時間降った雨がたまって水深5cmになる)
手すりがあったのでなんとか耐えられていますが、何もなければあの暴風の中では立っていられないでしょうなあ。

マスコットがゾウなのは?

田中さん、案内をありがとうございました。田中さんとゾウのマスコットキャラクター「けすぞう」くんのツーショット。

ちなみになぜマスコットがゾウかといいますと「ゾウは何かトラブルがあるとみんなで協力して群れを守ります。防災に大切な『共助』につながるその姿勢を見習いたいという気持ちもあってゾウなんです」と田中さん。

こんなに盛沢山の防災館なのに、利用はすべて無料
防災館は本所のほかに池袋、立川にもあります。池袋館は駅から5分と便利がよく、また毎週金曜日にはナイトツアーを開催。立川館は子ども向けの自由体験コーナーが充実しています。それぞれ少し違う特色があるので全館行ってみるというのもアリかも。
楽しみつつ防災のことを学べる貴重な場所です。お休みの日にでもぜひ行ってみてください。
体験の開始時間や体験人数が決まっているのでご予約がおすすめです。

防災館