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スマホをただの板にしない。スマホサポーターに聞く!

戦略広報課です。
現代の多くの人が「スマホのない生活なんて・・」と感じていることでしょう。
あの小さなスマホはパソコンを携帯しているのと同じです。なんでも調べることができます。行きたい場所や乗り換え情報、映画の上映時間、近くのお店、株価、天気などなど。あらゆる情報がスマホ一つで知ることができるのです。
世界的に見るとスマホは2002年ごろから使われていたのですが、当時日本はガラケーが主流であまり普及しませんでした。そんな状況も2007年にiPhoneが登場し変わり始めます。2008年、iPhone3Gが日本でも販売スタート。日本のスマホの普及が急速に始まったのはこのあたりからです。
ただしスマホが便利なのは、使いこなせてこそ。使えなければただの板ですよね。(´;ω;`)

相談会にいってみた

高齢の人やデジタルに不慣れな人のために「TOKYOスマホサポーター」という制度があります。スマホの扱いに慣れている人がサポーターとなり、スマホ相談会やスマホ教室などで相談に応じてくれるというもの。その様子を見てみようと中野区で行われたスマホの相談会にお邪魔しました。

松岡さんに聞く

こちらの方はスマホサポーター(以下サポーター)の松岡輝征さん。外資系の通信機器メーカーで営業として長年働いていました。
松岡さんは「営業職でしたから商品のことは熟知していました」。
スマホに関する知識などもバッチリです。
サポーターになる前、高齢の知人からLINEをやりたいのだけど、と相談されました。
「その方が使っていたのがアプリをダウンロードできないタイプのスマホでした。そこでアプリがダウンロードできる安価なスマホをいくつか紹介したところ、LINEなどもできるようになり、とても喜ばれたのです。こういう人がたくさんいるのだろうと思いました」
その後、松岡さんはネットでサポーターのことを知り、登録しました。

西東京市役所田無庁舎ロビーで行われた相談会。たくさんの人が来てます

わからないことだらけ


昨年の10月から活動し始め、これまで100人くらいの方の相談に乗りました。
「高齢の人の多くはスマホが全くわからない、といいます。スマホのショップなどでは契約はするけれど、詳しく教えてくれない。そもそもショップの予約がなかなか取れないし、行ったとしても、店員さんの話す言葉や単語がわからない。スマホ体験会も横文字ばかりでわからない。家族に聞くと家族はすぐ感情的になってしまう。こんな状態が続き、心が折れてしまうそうです」

高齢者用のスマホというものもありますが、このタイプのスマホは特殊な機能が多く、その機種について教えてくれる人が少ない、というのが現状です。
「だから、こういう制度があってホントに良かった、スマホがわからなくて悩んでいた、とよく言われます。役に立ててうれしいし、やりがいがあると思っています」

松岡さんがこれまで教えてきたことは、QRコードの読み取りの仕方、LINEの使い方、メールの見かた、写真の保存先、地図アプリの見かたなどなど。
そういえばわたしの知人の高齢の方も、スマホでメールを開いたことがないからメールは見れない、とつぶやいていたなあ。( ー̀ὢー́ ) う 〜 ん ・・・ 。

デジタルに不慣れな方の困難はまだ他にもあります。
「ネットで何かのチケットをとってもコンビニでの発券の操作がわからない、という人もいるし、サービスにカタカナ用語が多すぎるとも聞きます。ダウンロード、アカウント、インストール、画面をタップ・・なんじゃそりゃと。その年代の人がわかるような言葉で伝えないといけないと思います」

なるほど。すっかり当たり前のように使っていました。反省。
また松岡さんは「教える」という上から目線ではなく、敬語は使うけれど親しみやすく、落ち着いた感じで応対することを心がけているそうです。

相談会に寄った77歳の女性。この日の相談は「2年くらいスマホを使っているが、聴きたい音楽をどうやって聴けばよいか知りたい」。
松岡さんに教えてもらい「聴けるようになったわ~、よかった~」と笑顔で帰っていかれました。

取り残さないために

これまで対応した中で印象的だったエピソードを聞いてみました。
「視覚障害の方で、わらにもすがる思いで相談会に来た、というのです。『いざという時にタクシーを呼びたい。家の近くのタクシー会社を調べたい。電話さえできればいいので、番号をスマホに登録してほしい』ということでした。早速その方の自宅近くのタクシー会社の電話を調べて登録すると、ものすごく喜ばれたのです。『これで安心だ、ここに来てよかった』と何度も言われました。その方にとっては本当に重要なことだったのです。こういう人が取り残されがちなのだ。役に立てたなと思った出来事でした」

いま東京都では「デジタルの活用によって誰一人取り残されることなく多様な幸せが実現できる社会」と掲げています。
でも実際には高齢者の中で格差が広がっていると松岡さんは言います。
「高齢の人ほどスマホが使えたらいろいろな恩恵を受けられるはずなのに、スマホが使えず恩恵も受けることができず、結果的に取り残されていると感じます」

「そのような人の中には自分で遠くに行けない人もいます。また一人で暮らしているとひきこもりがちになることも。そんな人がスマホを活用することで、外出しやすくなったということもあります。また趣味も広がります。音楽さえ聴ければいいというのでアプリを教えると『毎日いい音でクラッシックを聴けるようになった』と喜ぶ人もいます。
スマホ一つで行動範囲が広がり趣味も広がる。スマホは人生を楽しむために役立つツールだと思うのです」

松岡さん(左)と同じくサポーターの荒田さん

今回松岡さんの話を聞いて、スマホ一つがこんなに影響を与えるのだなと知りました。また自分では当たり前のように感じていた操作が「難しい」と思う人もいるのだと確認することができました。確かに家族同士で教えるのは難しい。だからこのような制度が大事なのです。
皆さんもスマホサポーターになってみてはいかがでしょう?

スマホサポーターに興味のある方はこちらのホームページをご覧ください。
TOKYOスマホサポーター


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