防災公園ってなあに?
戦略広報課です。
さてみなさん、これは何だと思いますか?
一見普通のベンチに見えますが・・。
イスの部分を取り外すと
まだ何だかわからないです。。。
じゃ、じゃーん「かまどベンチ~」
かまどとして煮炊きができるのです。仕組みはこんな感じ。↓
では次。こちらはなんでしょう。
何やらコンクリートの蓋を開けようとしています。
中はこんな感じです。
その上にテントを組み立てると・・
じゃ、じゃーん「トイレ~」。
基本的にはテントで目隠しをして和式として使いますが高齢の方、障害のある方が利用しやすいよう、写真のように洋式便座を設置することもできます。
防災公園??
これらは災害時に使える設備で「防災公園」という公園の中にあります。その「防災公園」って何でしょうか。
都立公園の多くは、災害時の避難場所や救出活動などの拠点に指定されています。これらの公園を「防災公園」と呼んでいます。
(「防災公園」の定義は、その言葉を使う主体によって異なります。
ここでは東京都建設局が定義する「防災公園」について紹介しています)
あの関東大震災では
今から100年前に起きた関東大震災では、火災による被害が大きく、死者・行方不明者約10万5千人の内、9割が焼死したとされています。
当時と比べて建築物の材料もだいぶ変わり、建物の不燃化も進んでいます。しかし、それでも大規模な火災に巻き込まれるおそれがあります。
そのため延焼火災が鎮火するまでの一時待機場所として、大規模な公園などが避難場所に指定されているのです。このような避難場所は周辺まで火災が迫っても、火に巻き込まれないだけの広さを持っています。
いざという時に避難行動がとれるよう、自宅の近く、学校の近く、職場の近くの避難場所がどこなのか、確認しておきましょう。
災害時に助かるこんな設備
震災などの災害で電気・ガス・水道などのライフラインが止まったときも防災公園の設備が役立ちます。さきほど紹介した「かまどベンチ」「災害用トイレ」などがそれです。設備についてもう少し詳しくご紹介します。
災害用トイレ
災害用トイレは公園によって、通常の公園のトイレがそのまま使用できる常設型とマンホールなどを設置して使うマンホール型のタイプがあります。
災害時に断水するとトイレを使ったあと水が流せなくなります。さらに深刻なのは下水道施設が被害を受けると、し尿の行き場がなくなることです。
災害用トイレは地下に耐震の便槽を設置し、そこにし尿をためることができるようになっています。
先に紹介したのは角形マンホールですが、丸形マンホールの災害用トイレもあります。上記の画像は丸形。
平常時は公園の普通のトイレでも、災害時に上下水道が使えなくなった場合は、イラストのように便器の底を壊して地下の便槽につなげたり、便槽につながるマンホールを開けて使うものもあります。
防災パーゴラ
さてさて、公園でこんなもの見たことはありませんか?
通常はこんな感じでも
災害時にはみんなで協力して布などをかぶせ
雨風をしのぐ防災パーゴラになります。(パーゴラとは木材などで組んだ棚のこと)
写真は防災井戸。ライフラインが断たれたとき、生活用水を確保できます。
写真は手動でポンプを動かしているところです。
都立公園の中には、自衛隊、警察、消防、その他のベースキャンプなどに活用されたり、ヘリコプター活動拠点に指定されている公園もあります。
葛西臨海公園にあるヘリコプターの離発着スペース。広いですねえ。
9月は防災関連のイベントが多い月。この機会に避難場所や防災公園などを見に出かけ、災害時の対応など考えてみてはいかがでしょう。
1~4 画像提供 公益財団法人東京都公園協会