なんて平和なんだキリンさん
戦略広報課です。
動物園で人気のあるコーナーの一つ、キリン舎。どうしてみんなキリンが好きなのでしょう。
キリン舎の前では子どもたちが「わ~キリンさんだ~」と嬉しそうな声をあげています。
日野市にある多摩動物公園では1960年~1961年にやってきた2頭からキリンの飼育が始まりました。
現在(2023年7月)、0歳から16歳まで計17 頭と、日本の動物園で一番多い頭数です。
キリンは思っていたより大きい!左下の飼育係の方が小さく見えます。
新しいキリン舎へ
昨年の 9月4日にキリンたちは新しいキリン舎に引っ越しをしました。これまで使っていたキリン舎が60年以上経ったこともあり、建替えることになったのです。
新しいキリン舎は2階建て。キリンの居室は吹き抜けになっていて床暖房が完備。飼育係がエサを運ぶためのエレベーター設置、とキリンにも飼育係にもやさしい設備がそろいました。
こちら新しいキリン舎。
ちなみにこちらが古いキリン舎。ムーミンの家みたいで味わいがあります。実はケニアの「キクユ族」の住居を模したつくりなのでした。
大変だった引っ越し
引っ越しはかなり大変だったようです。
「新しいキリン舎は同じ敷地内の反対側に建てました。引っ越しといってもキリンを引っ張っていくことなどはしません。隣の敷地に何頭か移動しても残り数頭がなかなか入っていかなかったり、せっかく移動していたのに、音などで驚いてしまって全頭が元の場所に戻ってしまったり」と話すのは飼育係の齊藤美和さん。
「新しいキリン舎のコンクリート製の運動場に入るまで約2か月。その奥のエサがある室内に入るまでさらに1か月かかりました。子どもは結構すんなりと、おとなのキリンは警戒心が強くて時間がかかりました」 人間と同じですね。
快適なおうち
わらわらと入ってきました。さあ、ごはんだ、ごはんだ。
みんなでわしわし食べてます。
仲良く食事する風景です。キリンは穏やかで優しい動物なのです。みんなで一か所に集まっていますが、争ってまで食べようなどとはしないのだとか。いいなあキリンさん。
こちら冬バージョン(10~4月)の室内。ごはんの後、座ってくつろいでいます。床暖房も入ってポカポカ。新しい家にすっかり馴染んだ様子です。
お水を飲んだり
一斉にたたずんだり。何を見てるんだろ。
キリンのステキな魅力
キリンの運動場はお客さんが歩いている園路より低い位置にあります。そのため、キリンの顔も見やすくなりました。
キリンの角は3本。耳の間の2本と真ん中のでっぱりが1本。
赤ちゃんは角も短く、大きくなるにつれこの角が伸びてきます。
ちなみに、生まれたばかりの赤ちゃんはお母さんの産道を傷つけないようにするため、角が頭の骨に固定されずに倒れた状態になっているのだとか。
子どもたちもキリンが大好き。こんなに近くで見ることができました。
キリンは本気を出せばかなりのスピードで走れるとか。
でも普段の動きは本当にゆったりゆったり。草を食べるのもゆったり。みんなでゆらゆらと右に行ったり、左に行ったりしています。その動きを見ていたら、不思議な気持ちになりました。なぜだかすごく心地よい。
新しいキリンの魅力を発見しました。それと平和主義なのがとても良い。
せかせかした人間社会の日常から少しだけワープできたのでした。
日常に疲れたときなどキリン舎、おすすめですよ~
写真提供:1~2(公財)東京動物園協会
多摩動物公園