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団地にスーパーがやって来る 買い物支援移動販売

日々の買い物って結構大変ですよね。重い荷物を持って歩くだけならまだしも、もしエレベーターのない集合住宅に住んでいたら・・。高齢になったらなおさらキツいなあと思います。
高齢で体が思うように動かない、また最近ではコロナのために買い物になかなか出られないという方がいます。
今回は、そうした方々への支援として、都、区市町、民間業者が協力して移動販売を実施している八王子市の多摩ニュータウン南大沢団地四丁目を取材しました。

日々の買い物はなかなか大変

この団地のある京王線南大沢駅の駅近辺にはアウトレットモールや大型のスーパーがありますが、団地からそこまで行くには歩行者用の信号がなく陸橋を渡ったりしないといけません。これは高齢者や足腰の弱い人には、なかなかツライ道のりです。

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南大沢駅近辺は陸橋が多い

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建物の一階に商店が入っている団地もよく見かけましたが、食料品などの消費が減る高齢者層が多くなると売り上げも減り、閉店になるケースが多いのだそうです。

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たくさん載せていざ出動!

今回ここで行われているのは、買い物を支援する小型の車両を使った移動販売です。協力事業者は京王電鉄株式会社。近くの京王ストアから店頭商品を朝と昼、一日に2回積み込みます。
生鮮食品は毎朝状態の良いものをピックアップ。日用品などと一緒に団地の集会所前で販売しています。

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載せている商品は約350品

目で見てさわって買いたい気持ち

「開店」するのは月、金曜の14時40分から15時10分の30分間。毎回10人くらいの来客があるそうです。
団地の自治会の協力で、野菜などの商品を集会所前に出したテーブルに並べ、お客さんが自分で商品を見ることができるといった工夫をしています。

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カゴなどは小まめに消毒

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御用聞きもやってます

顔なじみのお客さんも多く、スタッフはその方々の顔を思い浮かべながら好みの商品を持っていくのだとか。また場所に応じた品ぞろえもしていて、たとえば高齢者施設に行く場合は食事の素材ではなく果物やお菓子を多く持っていき、みなさんに喜ばれているとのことです。
このほかにもお客さんのリクエストに応じた御用聞き的なサービスや、プレゼントをしたいという声に応えたギフト用品(クッキー詰め合わせやフラワーアレンジメント)の注文も受けています。
人気のある商品は定番化するなどお客さんの声に耳を傾けて取り組んでいるそうです。

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今日の販売は終了~

コミュニケーションツールとしても

京王電鉄(株)戦略推進本部沿線価値創造部企画担当の澤昌秀課長によると、
「みなさんには安心して商品を選んだり、楽しんで買物していただきたい。食べるものを自分で選ぶことは生活の基本なことです。また、移動販売があるから近所の友達と話す機会が持てる、との声をいただいています。集まった人や販売員と会話をするなどコミュニケーションツールにもなっていると思います」とのこと。
また、住民のみなさんからの「来てもらえてありがたい」「移動販売があるから近所の友達と話す機会が持てる」という声がスタッフの励みになっているそうです。

買い物のあとは交流したり

さらに、せっかく住民が集まるのだから、と移動販売の時間に合わせ、自治会でマージャン教室やカラオケ会を開いています。
「このような場をほかの販売場所にも広めていくことが今後の目標です。買い物困難エリアの解消だけでなく地域のコミュニティ作りにも貢献したいと考えています」と澤さん。

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移動販売のあと住民同士の集まりなどに参加する人も

安否確認にもつながります

柳澤重男自治会長は「足腰が弱い人や体に不自由のある人が便利に使っていて助かります。買物後、集会所の集まりに参加していく人もいて住民同士のコミュニケーションに役立っています」と話していました。

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柳澤重男自治会長

移動販売は単なる買い物の役目だけでなく「あの人が最近来ないね」といった安否確認にもつながっているといいます。コロナなどで人と人とのつながりの薄い中、貴重な役割を果たしているともいえます。

他の地域の移動販売実施情報はこちらから
https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/bunyabetsu/jutaku_fudosan/toei_shienjigyo.html