せめて軽くなっておくれ、花粉症
広報広聴課です。
今年の花粉症、ひどかったです。スギは一段落しましたが、まだヒノキが残っている。。
筆者はヒノキのアレルギーもあるので5月くらいまでくしゃみ、鼻水、目のかゆみが続きます。春なのに・・( ノД`)シクシク…
花粉症、なくならないかなあと思いますが、そう簡単な話ではないようです。
今回は花粉にまつわる、さらに花粉を少なくする努力、のお話です。
花粉症のモトはここから
花粉症と山の現状は切っても切れない関係です。
東京に山や森は少ないように思われがちですが、実は以外に森林が多く、総面積の約4割・79,000ヘクタールが森林です。そのうち多摩地域には53,000ヘクタールの森林があり、約6割がスギやヒノキなどの人工林です。人工林の多くは戦後に植えられた苗木が育ったものですが、木材価格が長く低迷する中、採算が合わず伐採が進んでいません。
この伐られないまま残っているたくさんの木が、毎年大量に花粉を飛ばし花粉症を引き起こします。今や都民の二人に一人が花粉症という状況です。
スギやヒノキは伐っちゃえば?
じゃあ、このスギやヒノキを伐ってしまえばいいんじゃない?と思いがちですが、そうもいきません。
木を伐り倒してはげ山になると、水害や土砂崩れなどの原因にもなります。また森林は水を蓄え、二酸化炭素を吸収もしてくれます。急激に伐採するのではなく、計画的に木を伐って使い、そこに花粉の少ない木を植えていく。このサイクルが大事なのです。
しかし言うは易し。人工林は急しゅんな地形にあることも多く、伐りだしが難しい。そういう場所は伐採後の木を道路まで運ぶのも大変。さらに伐採できる担い手も少ない、と課題も山積み。林業に携わる人の確保と育成も行う必要があります。
花粉の少ないスギやヒノキの種を作る
課題もありますが、やれることをやっていこう、と多摩地域のスギ・ヒノキ林を伐採し、花粉の少ないスギなどに植え替える「花粉の少ない森づくり」が進んでいます。
東京都農林総合研究センターでは、青梅市にある採種園で花粉の少ないスギやヒノキの種子を生産しているとのこと。早速お邪魔してみました。案内してくれたのはセンターの奈良雅代さん。
花粉の少ないスギなどの開発は、平成8年から森林総合研究所林木育種センターと都府県が連携して行ってきました。現在、少花粉スギは147品種、少花粉ヒノキは56品種開発されています。
同センターではこれらの中から多摩に適した43品種を選定し、約1,000本のスギ、ヒノキを育てています。
種をとるのも大変だ
選んだ種は品種ごとに分けて人工気象器に入れます。人工的に「一日」を再現し、発芽率を調べます。
大敵はカメムシ
カメムシは採種の大敵。球果の中の種を吸ってしまうのだとか。こわいカメムシ。
これまで写真の白いネットを買っていましたが、値段が高いので今年はみなさんで手作り。色による昆虫の目隠し効果を期待して、赤いネットを試してみるそうです。
平成18年度以降、700ヘクタールを超える東京の人工林で、伐採や植え替えが行われてきました。こうした取組が続くための募金も集めています。
花粉症に悩むみなさんも、そうでない方も応援してみませんか。
いつの日か、花粉症に悩む日がなくなりますように~