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なんて美味しい野菜なの~農業する人を育てる・東京農業アカデミー八王子研修農場

東京都広報課です。
八王子駅からバスで10分程度のところに、東京で農業したいという人のための研修施設「東京農業アカデミー八王子研修農場」(以下研修農場)があります。約2万平方メートルという広さです。
2020年から開講し、いま第1期生と2期生が学んでいます。それぞれ都内に住み、研修に通ってきています。そんな研修生たちがどのように実習しているのか、今回は2期生の様子を見学してきました。

絶品玉ねぎを食べてしまって・・

6月に研修農場産の新玉ねぎを使ったランチが都庁食堂で提供されました。その玉ねぎのジューシイでおいしかったこと!筆者は新玉ねぎ丸ごとのカレーを食べたのですが、本来玉ねぎはちょっと辛くて苦手なのに、この時の丸ごと玉ねぎはまるでフルーツのよう。感激でした。そんな研修農場発の夏野菜が、この7月にまた都庁食堂で提供されると聞き、いそいそと見学に出かけた、という次第です。

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都庁食堂で販売された新玉ねぎ丸ごとのカレー


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7月都庁食堂で提供された研修農場産キュウリを使ったバンバンジー冷麺

もと設計士、栄養士、大学生などなど


2期生は女性2人に男性3人計5人。研修生の受講動機や背景も様々です。大学卒業後、前から農業に興味があって、という人もいれば、もとは会社員として働いていた、家族のいる人もいれば、独身の人もなどなど。当たり前のことですがそれぞれの個性もさまざまです。

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作業する2期生たち

管理栄養士だった研修生は直売所で売るときの野菜のパッケージやラッピングなど「どうしたらお客さんの目を引くかなど考えるのが好き」なのだとか。電気メーカーで設計士として働いていた研修生は細かい作業が得意。当初から農業をしたかったという研修生は「計算などは苦手だけど機械を使った作業や力仕事が得意」。大学を卒業し、アルバイトを経たあとに入所した研修生はデータを取ることが好きなので、記録係として貴重な存在です。
お互いの得手不得手をうまくカバーしあっている様子です。

はじめはキツかったなあ

研修は月から金曜までの平日毎日。朝8時50分から夕方16時20分まで行われます。夏(8月)・冬(12~1月)・春(3~4月)に約1週間のお休みがありますが、あとはほぼ勉強の日々です。オフィスで働いていた研修生にとっては、はじめは体力的にきついなあと感じたそうですが「今ではだいぶ慣れました」とのこと。

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この日は夏野菜の収穫と鳥から作物を守るためのネットづくり

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キュウリを収穫

まじめで一生けんめいやってます

作物の栽培のほかに、座学では法律、栽培管理、経営分析なども勉強します。また農業機械の研修や直売所視察、販売の実習なども行います。実習講師の方によれば「みんなまじめで一生懸命。教え甲斐があります」とのことでした。

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八王子での即売会

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有楽町交通会館での即売会

東京の農業のコト

研修生は都内の農地で就農する予定です。東京の農業のメリットは畑と食卓(消費者)が近いことです。東京都の農地面積は7,130ヘクタール(2015年)。東京都の総面積の約3.3%を占めています。都市・山間・島しょ地域とそれぞれの特性をいかした新鮮な農作物を生産しています。
代表的なものだけでも36品目ほどになります。

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東京都の主な農産物

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出典:東京農業アカデミー八王子研修農場ホームページ「東京都の農業」

みなさんに近いというメリット

東京では市場を通さない販売が80%あるのも特徴的です。農家の庭先や共同直売所、スーパーマーケットなど多様な販売先があります。
このように消費地に近いという利点を生かして新鮮な農作物を供給できるのが、東京農業の利点なのです。

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2年間の研修が終われば生徒たちはそれぞれの進路を決めていきます。このように東京の農業を支えていく人たちがこれからも増えていくことを期待しています。
また東京で農業をしてみたい、興味があるという方は下記のサイトをのぞいてみてはいかがでしょう。

公益財団法人東京都農林水産振興財団
https://www.tokyo-aff.or.jp/
東京農業アカデミー八王子研修農場
https://www.nogyoacademy.tokyo/