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都レンジャー(小笠原)

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東京都自然保護指導員(都レンジャー小笠原地区)です。 小笠原地域の都レンジャーは本州から1000km離れた海洋島であるという 特殊な自然環境の中で様々な業務を行っています。 この… もっと読む
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記事一覧

新レンジャー紹介(小笠原地区父島)

2024年4月1日より父島に赴任しました南出と申します。 化学科を卒業後に繊維業界で東京勤務の後、海外の自然への興味をもち、オセアニア、アジア、東ヨーロッパを中心に各地に1年ほど滞在。帰国後は日本の教育への疑問を感じ、高校生の海外派遣教育の仕事に携わりました。 今年度より小学生になる長男と5歳になる双子、そして妻と小笠原にやってきました。 今までは別の世界にいたような素敵な環境で、環境保全の魅力・取り組みにも圧倒されています。未経験の赴任ですが、1日でも早く活躍できるよう精

都レンジャー自ら思いを伝える看板デザイン

先日、おがさわら丸船内のポスターをリニューアルしました。靴底洗浄のお願いに特化したデザインとなっております。 この中の「靴」のデザインをどこかで見たことがあると思った方はなかなかの小笠原通です。似た靴のデザインがははじま丸船客待合所前の看板にも使われています。 これらに三日月山線歩道入口看板を加えた3つは、じつは私達が直接デザインさせてもらったものなんです。 長年現場で感じてきた魅力や思いを詰め込んだつもりです。機会があればぜひご覧ください。   いつもフィールドにで

冬も楽しい小笠原

小笠原というと南国、常夏の島ってイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。 確かに一年の多くをTシャツ短パン、サンダルで過ごして、1月1日に日本一早い海開きが行われます。でも、12月ごろから20℃を下回る日が出てきて、最低気温が10℃を下回ることもあります。いやいやそんなの大したことないって思うかもしれませんが、冬は風が強いので体感はかなり寒いです。小笠原島民は寒さに弱いのでダウンを着たり、暖房器具を使う人もいます。 自然に目を向けると、小笠原では春の桜もなければ冬の雪

大雨で大破した階段を補修せよ!@御幸之浜

★母島で観測史上最大の大雨今年(2023年)の10月18日に母島で大雨が降りました。1時間に125㎜の降雨が観測され、母島での観測史上最大の大雨となりました。島内では記録的短時間大雨情報や土砂災害警戒情報が発表され、小笠原村は避難所を開設するなどの対応をとっていました。 島内の歩道に被害が出ました この大雨の影響で、歩道では土砂の流出や歩道施設が押し流される被害が出ました。そのため、万年青浜、南京浜、石門(林野庁指定ルート)への歩道は一部通行止めとなっています。 (20

【都レンジャー活動報告】南島で外来植物を駆除してきました

 令和5年11月25日に27名の島民ボランティアの方と、小笠原野生生物研究会スタッフ2名、小笠原支庁土木課職員5名の計34名で小雨の降る中、南島の外来植物駆除に行ってきました。 海水で靴底の泥汚れを落とし、植物の種などを南島に持ち込まないよう服やカバンは粘着クリーナーで清掃し出発しました。 南島に到着後、3班に分かれコトブキギク、コマツヨイグサ、シンクリノイガを駆除します。 作業前に、実施方法を説明しました。 はじめのうちは「これは、抜いていいかな?」とスタッフに確認し

森の小さな宝石たち ―母島列島のヒメカタゾウムシ―

今回は小笠原の固有昆虫の一種、ヒメカタゾウムシの魅力についてご紹介します。ヒメカタゾウムシ類は、体長5㎜程度と小さくずんぐりな体形をし、”象”というにはやや太く短すぎる鼻(口)を持つなど愛らしい特徴があります。 最新の研究では小笠原諸島全体で19種(内6亜種)に分類され、その全てが固有種とされています。 そんなヒメカタゾウムシですが、特に注目してもらいたいのは、そのカラーバリエーションです。バリエーションの理由は体を覆う鱗片(りんぺん)と呼ばれる繊細な毛によるもので、毛の

都レンジャーは普段、どんな仕事をしているの?(母島レンジャー編)

みなさん、こんにちは。いつも都レンジャーnoteの記事をご覧いただきありがとうございます。今回、「都レンジャーは普段、どんな仕事をしているの?」という質問についてお答えします。以前の記事になりますが、多くの反響があった、こちらの記事をご紹介します。

母島レンジャー 夏の活動ハイライト

日中はまだまだ暑い小笠原ですが朝夕は涼しくなりました。すっかり夏は終わり、冬が近づいてきています。 小笠原の東京都レンジャー(以下都レンジャー)は、歩道や園地等の小笠原国立公園の利用施設の維持管理、自然保護に関する違法行為の監視、外来種の侵入・拡散防止を日常の業務としています。 7月末から8月は船便も増え、夏は小笠原観光のハイシーズン!普段より歩道や園地の利用者が増えることにより事故や自然保護に関する違法行為、外来種の侵入・拡散など自然への影響が起こるリスクが高まるため、都レ

小笠原の公園施設管理はいろいろある!今回はアオウミガメ救助を紹介します

 都レンジャーの業務の一つに公園施設の管理があります。父島母島において東京都が管理している公園施設は園地歩道を含めて18か所です。日々、巡視をしながら点検や補修といった作業が多いのですが、この時期はウミガメの救助連絡がたまに来ることがあります。 今回は、ウミガメの調査や研究をしている小笠原海洋センターが島民の方から「アオウミガメが木の根に絡まって動けなくなっている」と通報を受けたことがはじまりです。アオウミガメがいる場所はジョンビーチという東京都が管理する父島海岸線歩道の終

【都レンジャー活動報告】父島南崎で外来植物の駆除作業をしてきました

1.父島南崎にある外来種たち みなさんは上の写真は何の花かご存じですか?これはタバコの花です。可愛らしい花ですが、父島ではタバコが野生化してしまい駆除対象になっています。かつて、父島の南崎という場所では1000本以上生えていました。 続いて、この樹木はモクマオウといいます。これも父島では外来種として島内で生育しており、行政、NPO、事業者、島民などが協力して長年駆除のために戦い続けています。これも南崎ではかつて500本以上ありました。 2.なぜ、父島南崎で外来種の駆除を

新レンジャー紹介(小笠原地区母島)

こんにちは。4月より都レンジャーとして赴任いたしました。前澤良音(まえざわらおと)です。 出身は小笠原諸島の父島です。生まれてから18歳まで父島の自然の中で育ちました。大学では環境教育やエコツーリズムを学び、卒業後は父島の属島の自然保護に携わってきました。 母島赴任ということで、慣れ親しんだ父島の自然とはまた違った小笠原の一面に触れることができてとても楽しみです!小笠原の自然を素敵な状態で残せるよう頑張っていきます。 よろしくお願いします。