ここでも電気を作っているんだなあ
広報広聴課です。
以前このnoteでも取り上げたことがある東京のダム。
けっこうダムが好きな方って多いんです。
なんでだろ。大きいから?
確かに大きな水面のダムを見ていると、日ごろの煩雑さを忘れるってことはあります。「クヨクヨしたってしかたないさ~」という感じでしょうか。
いつかダム好きの人にその理由などを聞いてみたいものです。どなたか教えてくださいませんか、などと思いつつ。今回は白丸ダムに行ってきました。
交通局が水力発電?
白丸ダムの正式名称は白丸調整池ダム。西多摩郡奥多摩町にあります。
多摩川第三発電所を建設する際に多摩川の水をせき止め、下流にある多摩川第三発電所に発電用の水を送るために造られました。また、このダムによってせき止められた調整池が白丸調整池です。
そしてこのダムに併設されているのが白丸発電所です。
平成12年までは、白丸調整池から多摩川第三発電所までの多摩川の河川機能維持と観光のため、一定水量を白丸ダムのゲートから放流していました。この放流水を有効活用するため建設されたのが白丸発電所。周辺の環境に配慮して、その大部分が地下に設置されています。
この事業を担当しているのは実は交通局。
え~なんで交通局が水力発電?と思う方もいるでしょうが、その事業の歴史は古く、水力発電事業は昭和32年から。ちなみに当時は火力発電でしたが、電気事業としてはなんと明治44年から着手しています。
水力発電に話しを戻しますと、この多摩川の流水を利用して発電した電気は、現在は公募型プロポーザル【注】によって決定した、都内に電気を供給する電気事業者に売却しています。
【注】エントリーした会社が仕様書に示された業務に対して企画提案書を提出し、その企画内容で競う方式
現在、交通局が管理している水力発電所は、多摩川第一発電所(奥多摩町)と多摩川第三発電所(青梅市)、そして、ここ白丸発電所の3か所。
これらの発電所の最大出力は合計36,500キロワットで、1年間に発電する電力量は一般家庭約35,000世帯分とか。
いざ発電所内部へ
では早速その白丸発電所へ入ってみます。(ここは一般の方は見ることができません)
ここが入口です。
この小さいエレベーターに乗って地下に降りていきます。地下約40メートル下がります。
これが水力発電に使われている水車です。手前が小さい水車。奥に見えるのが大きい水車。
黒い巨大な筒状の中には川の水が流れ込んでいます。その水を利用して発電するのです。この筒の中が全部水・・と思うとちょっと不思議な感じです。
発電機室の重い扉を開けると、なんと外につながっていました。すぐそこは川!ひんやり涼しい~。
発電に使った水は、また川に戻されます。エコだなあ。
魚のための道があった
川べりに階段があります。
「あれは何ですか?」(私)
「あれは魚道です」(担当者)
魚道というのはその名の通り魚が通る道のこと。魚が下流から上流へ遡上できるように手助けします。
ヤマメやイワナが登っていくのだそう。
ダムを下から見るとこんな感じ。
白丸調整池ダムです。緑に囲まれて美しい。。
エコっと白丸にいらっしゃ~い
こちらの建物は再生可能エネルギーPR館(エコっと白丸)。交通局の水力発電と再生可能エネルギーについて知ることができます。
最後におまけ。この車は水力発電で作った電気で動かしている電気自動車です。
今回の取材で良かったことは、自然の一部を活用させてもらい、わたしたちの使う電気を作り、そしてまたそれを自然(川)に返す、という循環を見ることができたことです。こうしたエネルギーがもっと増えるといいなあと思わされました。