父島レンジャーの1日
広報広聴課です。
3月に小笠原諸島の母島で活動する都レンジャーの紹介をしました。
今回は父島の都レンジャーである田谷以生(いお)さんに、父島レンジャーの1日を紹介していただきます。
7時45分 登庁 今日も一日がんばるぞ~
この日は南島のルートの維持管理作業をするので、剪定ばさみや鎌、カメラ、無線機など現場作業に必要な道具を準備。防水のザックに詰めていざ出発です。
8時30分 今日は南島へ
南島に外来種を持ち込まないよう、乗船前に靴の洗浄や持ち物をしっかりチェックします。
小さなボートなので波がかかることもありますが、カッパを着て防水ザックなので大丈夫です!
9時 南島に到着
南島は父島の南西約1キロに位置する小さな無人島です。石灰質の土地が隆起・沈降してできた沈水カルスト地形という特異な地形で、島全体が国指定天然記念物に指定されています。エメラルドブルーの海と白い砂浜が美しく、人気の観光スポットです。
南島の特異な自然景観を守るため、島の利用にあたり「定められたルートの利用」「東京都認定ガイド同行での入島」などのルールが定められています。
自然観察路の踏石がぐらついている箇所があったので据え直し(上)歩道にかかる植物の剪定を行いました。(下)
南島の植生を守りながら、利用する皆さんが安全に歩いていただけるように考えながら作業しています。
この日はスッキリ晴れて良い天気♪
春は風が吹くと肌寒いですが、日なたはポカポカで絶好の作業日和です。南島は日陰がないので夏は灼熱! 日焼け対策、熱中症対策が必須です。
これはな~んだ?
ココで都レンジャーおすすめの南島の生きものをご紹介します。
自然観察路を歩いていると、道の脇にたくさん生えているクサトベラという植物があります。
よく見るとたくさんの小さな丸い穴が開いていることに気が付きます。いったい何の穴でしょう?
これはスジヒメカタゾウムシという昆虫が葉っぱを食べた痕なのです。葉っぱのすき間に隠れたスジヒメカタゾウムシを見つけることができるかも。
春から夏にかけて海鳥たちが繁殖のために飛来します。南島ではオナガミズナギドリ、アナドリ、カツオドリの3種が繁殖しています。オナガミズナギドリとアナドリは、植物のすき間や砂地に穴を掘って営巣するので姿を見ることが難しい鳥です。
それに対しカツオドリは崖の上に営巣するため、たくさん見ることができます。
11時30分 父島に戻りました
使用した道具をきれいに洗浄して午前中の作業は終了です。
14時20分 おがさわら丸出港立会い
植物の違法な持ち出しを防止するため、おがさわら丸が出港する際に立会いを行っています。
この日は約350名のお客様を乗せ、おがさわら丸が東京竹芝に向けて出港しました。いってらっしゃーい。
15時 地味だけど大事 事務作業
事務所に戻り、1日の巡視報告書の作成や写真の整理などを行います。
17時15分 お仕事終了~夕日を見に行きます
今日も一日お疲れ様でした!
ちょっと足を延ばして夕日スポットへ。焼けていく空をのんびり眺めてから帰宅するなんてとっても贅沢な時間です。
レンジャーの仕事は、おがさわら丸入港時の島内園地や歩道の巡視がメインですが、その他、歩道の応急補修や動植物の調査、時には兄島や弟島など無人島での業務もあり多岐にわたっています。
都レンジャーが活動している小笠原。東京竹芝から船で丸1日かかり、とっても遠いのですが、独特の自然と美しい景色が広がる素敵な島です。
ぜひ遊びに来てくださいね。